暗号計算機屋のブログ

なにか思いついたことを不定期に更新。

FPGAを使ったSSLアクセラレータのICF3-F

これから設計して性能が出そうなら売れるものになるのかも、という話で具体的な計画があるわけではないです。 1999年の暗号LSI ICF3をベースとしてFPGAに特化したSSLアクセラレータを考えていきます。これまでFPGASSLアクセラレータでは性能が出せず商売にならないと思っていたのですが、FPGADSPを多数もっていることを知り考えが変わりました。

演算器の性能でいえばGPUのほうがはるかに上なのですが複数のSSLの演算を同期しなければならず利用ケースは限られます。FPGAではモンゴメリ乗算をうまく使うことで多数のDSPを効率的に使用できるはずなので小規模なサーバーでも効果があることを見込める。

これまで、そういう研究は10年以上前からありましたが商用化に成功しているものは、あまり見当たらない。あまり探していないので、もうあるかもしれないですが。商用化を困難にしている原因のひとつは、SSLの演算の全てをFPGAだけで処理することが難しいからではないかと「勝手に」思います。

そこでICF3をベースにFPGAに特化したSSLアクセラレータを作れば、FPGAだけで処理できるようになる。FPGAだけで処理できるようになるとUBS接続の安価なFPGAでも小規模サーバーのSSLに貢献できるようになり商業化が可能になるかもということです。

実際にやってみて性能が出れば。ですが。(^^;; うーん、ICF3-Fとして検討してみるか。

2018年4月23日 19:35追記

実際にやってみないと、わからないところはある。技術的な説明をすると、ICF3は基数2で幻のICF4は高基数に振り切っている。FPGAではDSPのビット長にあわせて基数を2から、もう少し大きくする。基数2にない面倒なことが起きるかもしれないが、そのくらいならICF3のように全体を閉じることができないかと考えている。 これが可能になっているのは僕が、ハード、ソフト、暗号を1人でできるからなのだと思う。仕様変更も頭の中で3秒くらいで完了するし。